しつけ訓練の三つの心構え

親和: 犬との親和の無いしつけ訓練は、その犬の作業意欲と喜求性を少しずつなくし
    てしまいます。
  

理解: 犬に対する理解の無いしつけ訓練は、その犬の性格を曲げてしまいます。

忍耐: 忍耐の無いしつけ訓練は、その犬の持つ本質を抹殺してしまいます。
                                 


   しつけ訓練の四つの秘訣

◇  絶対なる愛情(愛情を持って厳格に)

◇  常に同一声符(声の指示)、視符(手や体の動作)を使用する

◇  時機(タイミングの良いその場、そのとき)を失わない賞罰(誉める事と叱る事)

◇  犬が飽きるまで行わない(初歩のころは短時間で切り上げ回数を多くする)                                                                                                                                           


   しつけ訓練の知識と心構え

 犬のしつけ訓練とは、ひとつの状況で同じ言葉(声符)、同じ動作(視符)繰り返し、反復によってひとつ、ひとつの事を犬に記憶させ飼い主(人間)に対して正しく服従させる事です。最終的には声符のみで服従させるようにします。
ある状況において、毎回違った言葉、動作では犬が戸惑い理解に苦しみます。常に同じ言葉(声符)、動作(視符)で教えていくようにします。
犬は考えて(意味を理解して)行動するのではありません。叱る事、褒める事はその時、その場にタイミングよく行わなくてはなりません。飼い主が犬に対しての指示(声符)は命令なのです。飼い主の感情による意味のない賞罰(褒める事と叱る事)やおやつは飼い犬をわがままなダメ犬にしてしまいます、また犬の要求にいつでも応えてやるというのも良くない事です。
ひとつの事で飼い主がダメと決めた事はどのようなときでもイケナイの言葉で叱ります。その事に対して反応してくれた時にはオーバーに褒めてやります。褒める事と叱る事の繰り返しなのです。
犬というのは飼い主の方の飼育管理と考え方によって良くも悪くも変わります。犬のしつけ訓練を正しく施して楽しく愛犬との生活を営むことが飼い主の方と愛犬にとって幸せなことなのです。


   路上訓練(歩行訓練)

 飼い犬を外へ連れ出した場合、それなりのしつけマナーがあります。犬が飼い主の左脚側に付き飼い主の歩速度に合わせてくれるように教える事が歩行訓練です。    飼い主が犬に合わせてやるのではなく、犬の方が飼い主(人間)に合わせてくれるのが正しいのです。        外へ連れ出すことが排泄を兼ねていることに問題があります。飼育環境、飼い主の方の考え方でかなり抵抗があると思いますが、本来しつけマナー的には排泄は飼い主の方の屋敷内でさせるのが正しいのですが、どうしても外へ連れ出しての排泄の場合はしっかりしつけ訓練を施した飼い犬は、ある一定の場所に行って排泄する事がわかっていますが、一般の飼い犬はわかっていないようです。排泄目的に連れ出すことに問題があります。        鼻を落として匂いを嗅ぐ、前、横に引く、そのような事を容認してしまいます。また物を拾ってクワエル、他の犬、人、いろいろな車両、その他いろいろな誘惑に対して過度の反応をする。このような飼い犬は訓練によって正しく教えていかなければなりません。
犬の社会では順位性という習性があり、強さにより地位を決めて対応しています。したがって、犬は主導者(飼い主より上位)、にも従属者(飼い主より下位)にも成り得る本能を持っています。飼い主は正しい知識をもって飼い犬を正しくしつけながら従属者として位置づけて、飼い主、家族全員が主導者(リーダー)になれるようにしなければなりません。


   犬は叱っても怒るな

 犬の飼い主はまず犬を知る、飼い犬の性格、気性を知る事から始まります。自分の飼い犬が性格的に強い(硬性)犬か、弱い(軟性)犬なのか、その中間くらいの性格の犬なのかをまず飼い主の方が知ることです。その上でしつけ、訓練をやるようにしなければなりません。「強い犬には強く、弱い犬には弱く」飼い犬に対して接することです。「犬は叱っても怒るな」この言葉を実行、実践できる飼い主は犬という動物を理解している飼い主と思います。さまざまなネットまたは書籍で褒めて教えると掲載また書いていますが、その方は叱る事と怒る事の違いが、わかっていない、又は同じと考えているのではと思います。「叱ると怒るは違うのです」愛犬を叱ってたしなめ正しく導き反応させ褒め称えて教えていくのが正しいのです。叱る事と褒める事の繰り返しで教えていきます。飼い犬を叱るということは褒める事以上に大事な事なのです。タイミングよくその時その場で叱ったり、褒めたりしなければなりません(時機を失せざる賞罰)、正しく飼い主の指示、また罰(イケナイという言葉で犬をたしなめる事)に対してスムーズに反応してくれた時は褒めてやり、また初歩のうちはご褒美を与えてやります。叱り方はタイミングよくイケナイの声符と同時に体感的刺激を与えてイケナイの言葉を理解させます。いわゆる条件反射です。
 叱る事が全く無い飼い犬は皆無です。犬の種類、サイズ、性格、気性、によってアクセント、動作などの強弱はありますが絶対必要な事です。
 飼い主にとって賢く、飼い易い犬というのは、いろいろな芸ができる犬ではないのです。正しい事、悪い事を飼い犬に解らせて、罰(イケナイという言葉)に対して素早く反応させるようにする事が人間と共に家族の一員として生活していく上で一番重要なことなのです。しっかりとしつけ訓練が施されている飼い犬は家族だけでなく他の人々、犬嫌いな人からも愛されるのです。